生身の肉体を持ったホモサピエンスに、集団をまとめて維持し続ける、ということは不可能。生身の肉体を持っているということは必ず完璧ではないということ。どこかに穴が生じる。
自分たちは完璧で神のような存在であると思い上がったホモサピエンスの集団の中に、この穴を指摘する者が必ず出てくる。それが争いの火種となって、やがて集団は崩壊する。
過去の歴史で、生身の身体を持たない、なにか完璧な偶像を造り上げ、それに身を委ねるというやり方で集団の統制を図ったことがあったが、自分たちは不完全で、やることなすこと穴だらけの愚かな動物である、ということを認めることのできないホモサピエンスたちの手によって、その合理的な手法は廃棄されてしまった。
やがて後悔の念から、廃棄した本人達の手によって再びそれは拾いあげられようとするが、歴史の浅い愚かなホモサピエンス達が後からやってきてそれをまた廃棄してしまう。そしてしばらくして、そのホモサピエンス達も後悔の念から、廃棄したものを拾い上げようと試みるが、そこに歴史の浅い愚かなホモサピエンスが後からやってきて…
この動物は、ずっとこれを繰り返している説。